経営管理ビザとは、外国人の方が日本国内で起業・経営するために必要となる在留資格です。
外国人の方が経営者として日本で会社設立し事業を始める場合や会社役員など日本の会社に管理者に属する立場に就任する場合、その他事業に投資して経営を行う場合などに必要となるビザです。
近年、外国人の方が日本の不動産市場の利回りの良さや安定性、不動産取得に目立った規制がない点などに着目し、日本で民泊ビジネスを要望される方が多く見受けられます。
では、外国人の方が日本で民泊事業によって経営・管理ビザを取得できるのでしょうか?
結論から申し上げると、民泊事業で経営・管理ビザは取得できます。
こちらでは経営管理ビザを民泊事業で取得する方法について解説いたします。
民泊とは、「住(戸建住宅、共同住宅等)の全部又は一部を活用して、宿泊サービスを提供すること」と定義されています。海外で言うホームステイに似たような宿泊サービスです。
近年、日本では民泊に対する関心が高まっており、その背景には急増する訪日外国人観光客への宿泊ニーズを多様に受け入れることや、地方都市などで特に増加しつつある空き家を有効活用したいという理由等が挙げられます。
また、民泊事業を営むには旅館業法や特区民泊、新法民泊のいずれかに基づく許認可を取得する必要があります。
自由に無断で民泊サービスを行ってよいというわけではなく、当然のことなが近隣住民とのトラブル防止や感染症まん延防止等の公衆衛生の確保など地域での迷惑防止の観点からあらゆる対策が求められますので、基本的に法律に基づく許認可を取得した上での事業運営が必要になります。
民泊サービスは主に下記3つの事業パターンがあります。
1.旅館業法に基づく営業許可を取得する
2.国家戦略特区法(特区民泊)に基づく認定を取得する
3.住宅宿泊事業法(新法民泊)に基づく届出を行う
どのパターンでも経営管理ビザの取得はできますが、最も進めやすく最も申請件数が多いのは、2.国家戦略特区法(特区民泊)に基づく民泊事業です。
理由としては、特区民泊は他の2つの許認可に比べて、より手続きが簡単でメリットも多いからです。
ここからはそれぞれの事業パターンについて解説します。
旅館業法に基づく営業許可は、民泊として使用する施設がある都道府県(保健所を設置する市又は特別区)を管轄に事前相談や申請受付が行われます。
旅館業法上の民泊事業の最大の特徴は、営業日数に制限がない点が魅力的です。
営業日数に制限がない分、経営管理ビザの要件である「事業の安定性・継続性」を立証しやすくビザを取得しやすいというメリットがあります。
しかしながら、旅館業法の営業許可を取得するためには様々な厳しい規制や許可基準をクリアしなければなりません。
最低床面積が原則として33㎡までと規制されていたり、旅館施設の換気・採光・照明・防湿・清潔など衛生面で必要な措置を講じなければならなかったり、基準をクリアするための設備を内装工事の段階から手掛けなければなりませんので、初期費用が想像以上に高額になるケースが多いです。金額の目安としては、最低でも100万円以上は必要と言われています。
そのため、旅館業法に基づく営業許可を取得することは一般的には容易とされておらず、難易度の高い民泊事業パターンと言えます。
言い換えれば、仮にこのハードルの高い旅館業法の営業許可を取得できていれば、経営・管理ビザの許可が下りる可能性もかなり高くなります。
国家戦略特区法、いわゆる特区民泊の認定に基づく民泊事業とは、国の成長戦略のもと指定された特区の中で始める民泊事業のことを指します。
国家戦略特区の地域の例は、東京都大田区、大阪府、大阪市などがあります。
特区では制度上、民泊を含むあらゆるビジネスが展開しやすい環境が整えられており、民泊事業を始めるのに最も進めやすく最も手続きが簡単なのが、この特区民泊の特徴です。
実際のところ、旅館業法や住宅宿泊事業法(新法民泊)と比べても申請件数が多いです。
但し、この法律に基づき民泊事業を始めるには国の認定を受ける必要があります。
また、地域によって条例などのルールが異なるため、民泊で使用する不動産のある自治体の条例をあらかじめ確認しておく必要があります。
住宅宿泊事業法(新法民泊)に基づく民泊事業とは、健全な民泊サービスの普及を図るため、一定のルールを定めた新たな法律を制定し、都道府県知事への届出を義務化した上で始める民泊事業です。
外国人観光客の宿泊ニーズの多様化などにより、民泊施設の安全面や衛生面の確保が十分になされていない点や騒音・ゴミ出しなどの近隣トラブル防止の観点から、民泊事業に対して新たに法整備されたものです。
特徴としては、日常生活している住居の空きスペースを利用して副業のような形で民泊サービスを提供するイメージです。大規模な民泊事業を行って大幅な売り上げを見込むというビジネスモデルには不向きです。
また、都道府県への届出のみのため事業開始のハードルは比較的低いですが、年間営業日数に制限があり、上限180日までしか営業できません。
経営管理ビザ取得の観点から言うと、月に約半分しか営業できないということは十分な収益を見込むことができず、ビザの許可要件の一つである「事業の安定性・継続性」が認められない可能性があります。
入国管理局側の審査では、不動産事業の場合、会計上、サービス料や賃貸料等の収益で全ての事業経費をまかなえている必要があります。(事業経費とは不動産の管理費や事業所の賃料、役員報酬などが挙げられます。)
そのため、住宅宿泊事業法に基づく民泊事業では経営管理ビザを取得することは難しいと言えるでしょう。
2.国家戦略特区法(特区民泊)に基づく民泊事業でもお伝えしましたが、民泊は地域によって条例などのルールが異なるため、あらかじめその内容を確認しておく必要があります。
また、条例だけでなく、民泊施設として使用する不動産のマンション管理規約に違反している場合も考えられます。
事業開始時に法律上の許認可や届出をクリアできたからと言ってそれのみで安心するのではなく、事業開始前の段階で自治体の条例やマンションの管理規約の内容を確認して、落とし穴にはまらないようにするべきです。
条例は法律よりも厳しい場合もありますし(上乗せ条例)、マンションの管理規約なども民法上は基本的に当事者間で自由に契約できるものです。
もしインターネット等で自治体の条例を見ても分からなかったり、マンション管理規約や賃貸借契約書を見ても正確に内容が読み取れないという場合には、法律の専門家である行政書士などに相談することも一つかと思われます。
経営管理ビザを民泊事業で取得したいという方は、一度当所のようなビザ専門の行政書士にご相談されることをお勧めします。
代表行政書士 白山大吾
ビザ申請にあたっては、事前に入国管理局側の審査のポイントを押さえておくことが大切です。
まずは専門性の高い行政書士に相談されることをお勧めします。
当オフィスも初回無料相談にてお客さま一人一人のご状況やご不安を丁寧に伺って、最善の方法でビザ取得できるようサポートしております。
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