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定住者ビザから永住許可の取得

定住者ビザから永住権の取得

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定住者ビザから永住者ビザへ

定住者ビザとは、人道上の理由や特別な事情を考慮し、法務大臣の裁量によって外国人の方の日本での滞在が認められる在留資格です。

具体例としては、日系3世・4世の外国籍の方や日本人と結婚した外国人の方の連れ子、日本人と離婚した外国人の方、日本人配偶者と死別した外国人の方、永住者の実子などが「定住者ビザ」を持って在留されています。

定住者ビザを持つ外国人の方は、幼少期から日本をルーツとして在留されている方も多く、日本との関わりが深いため、結果的に永住許可を取得して日本で永続的に暮らすことを希望される方が多いです。

こちらでは定住者ビザから永住許可を取得するための許可要件などについて解説いたします。

 

定住者ビザから永住許可を取得するための6つの要件

1.在留期間【居住要件】

永住許可の申請要件として、申請人が原則として引き続き10年以上日本に在留していることが必要です。

但し、例外的に、定住者ビザを持って、引き続き5年以上在留している方は、引き続き10年在留していなくても、当該居住要件を満たすことができます。

 

出国について

次に出国に対する考え方ですが、定住者ビザで在留している間に出国した回数が多い方は「引き続き5年以上」の居住要件のカウントがリセットされる場合がありますので注意が必要です。

1度の出国で90日以上、又は1年間で半年以上出国した場合は、永住許可申請の審査上マイナスに影響すると考えられています。

なお、「引き続き」とは在留資格が途切れることなく在留を続けていることの意味も含みます。

再入国許可(みなし再入国許可を含む)を受けて、一時的に海外に赴く場合は在留資格が継続していることになりますが、再入国許可を受けずに出国したり、海外滞在中に再入国許可が失効するような事があれば、日本での在留資格は消滅したこととみなされ、引き続き在留していることにはなりません。

 

2.現在保有している在留資格が最長の在留期間であること

永住許可申請をする場合、現在保有している在留資格について、入管法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間であることが要件とされています。

具体的には定住者ビザであれば、在留期間は1年・3年・5年のいずれかで付与されますが、原則5年の在留期間の状態で申請が必要ということになります。

しかしながら、現行は3年以上の在留期間でこの要件を満たすことができておりますので、実務上は3年の認識で永住許可申請をおこなっています。

 

3.独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること【生計要件】

永住許可申請をする場合、申請人のこれまでの日本での生活における資産状況や技能等から見て、将来的に安定した生活を送ることができ、十分に生計を維持できることが要件になります。

申請人がご家族と同時に永住許可申請する場合は、被扶養者となる家族分も合計して収入要件を満たす必要があります。

特に定住者ビザをお持ちの方は、同居するご家族やご親族が多い傾向にありますので、誰を扶養に入れているか人数を把握してから計算するようにします。

生計要件で必要とされる収入額の計算方法は、目安として申請人の年収が300万円以上、扶養者1人につき20万円~30万円で上乗せします。

(例)申請人、配偶者、子1人の場合

300万+30万+30万=計360万の年収が必要

なお、収入の証明は市区町村で発行される課税証明書を提出しますが、提出する期間については直近5年分が必要になります。

 

4.日常生活において公共の負担にならず、有する資産または技能等から見て将来的に安定した生活が見込まれること

永住許可申請をする上で、税金等の滞納や生活保護の受給などで社会的に公共の負担になっていないことが必要です。

これは、申請人だけではなく、定住者ビザを持つ配偶者または子、その他日本に在住するご親族の方が生活保護を受けていないことも同様に要求されています。

定住者ビザをお持ちの方は、日本に在住するご家族やご親族が多い傾向にありますが、申請人が生活保護を受けていない場合でも、日本在住のご親族のどなたかが生活保護を受けていれば、永住許可の審査に影響を及ぼしますので注意が必要です。

(但し、必ずしも永住申請が不許可になるわけではありません。申請に係る世帯収入や生活費等の支弁などから見て、総合的に判断されることになります。)

 

5.素行が善良であること【素行要件】

永住許可を同時申請する場合、申請人およびご家族の方がこれまでの日常生活において法律を遵守し、住民として社会的に非難されることのない生活を営んで来たことが必要です。

素行が善良であるかどうかの判断基準は、通常人を基準として、これまでの日本社会への態様等を総合的に考慮して社会通念上確認されます。具体的には、「罰金刑や懲役刑など違法行為による処分を受けていないこと」「重度の交通違反や過去5年以内に5回以上の軽微な交通違反を繰り返していないこと」「入管法令上の外国人に関する就労状況等の届出義務を適正に履行していたこと」などが審査されます。

過去に懲役刑や罰金刑などを受けている場合は、目安として処分を受けた日から5年~10年程度は永住許可申請までの期間を開ける必要があります。期間は個々の刑の重さや罰金額などによって異なります。

交通違反歴は目安として過去5年以内に5回以上の軽微な交通違反があると、素行条件に引っかかります。

軽微な交通違反の例としては駐車違反や一方通行の違反などに限られます。

刑事罰が科されたり免許停止処分となるような重度の交通違反、いわゆる飲酒運転や50キロ超のスピード違反などは、そもそも申請をしても永住許可が下りない可能性が高いです。

その他勤務先などで入管法令上の外国人に関する就労状況等の届出義務を適正に履行されていたことも必要です。

なお、ご家族で同時に永住許可申請する場合は、申請人だけでなく家族全員が永住許可の素行要件を満たしていなければなりません。

万が一、ご家族の一人の方に素行要件に引っかかるような違反歴などがあると、その違反をした本人だけではなく、同時申請をした家族全員分の永住申請が不許可になりますので注意が必要です。

 

6.公的義務を適正に履行していること

永住許可申請をする上で申請人が公的義務を適正に履行していることが必要です。

公的義務とは、納税・年金・保険の納付、入管法令上の外国人に関する就労状況等の届出義務を指します。

税や年金の未納滞納がある場合、永住許可は下りません。さらに納付済みの場合でも過去、納付期限に遅れがある場合は永住許可を得ることは難しいです。この点入国管理局側は厳しく審査しています。

定住者ビザをお持ちの方は、同居するご家族やご親族の方の納税状況等も審査対象になりますので注意が必要です。

 

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代表行政書士 白山大吾

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